2013年6月6日木曜日

産地 工場見学 (防備録)

本日はイベントをスタッフに任せ工場見学。
裏地で有名な旭化成ベンベルグのLOISIR(ロワジール)の関連工場見学に富士吉田へ。

原糸、撚糸、染色(かせ・チーズ)、整経、整織、整理・後加工、検査を
工程順に案内していただいた。

原糸の説明時は写真撮りそびれ。

原料のキュプラは木綿の綿(わた)の部分でなく、種の周りのうぶげを加工してつくる
天然系の半合成繊維。



<染色>

①かせ染色

このバーの周りにかせ状の糸を巻きつける。
芯になるバーにはあながあり、そこから染色する。 


これは遠心脱水機。
叔父の工房にもあったな。
 

染色後のかせ状の糸はぬれたのをそのまま乾燥するとカチカチ、ゴワゴワ。

なるべく自然の環境に近い40度程度で乾燥。

こんな風にほぐし、1つずつバーにかけて
順に乾燥。




↑染色工場ちょっと俯瞰的に撮って見た。


②チーズ染色

原糸を適度にソフトなテンションで専用のボビンに巻きつける。

芯には布を巻いてある。
糸の痛みを防ぐため。 

釜は100キロ釜とか数種の大きさの釜がいくつか。
サンプル染めなどにも対応。
                


 鉄の柱みたいなのにタテに巻を通していく。
鉄の柱には穴が開いていて、そこから染色液がでて染色される。



チーズ染色の「チーズ」は形状がチーズに似てるからとか。
でっかいタンクの下から染色液がタンク内の柱に送り込まれ染み込み染まる。



その後は乾燥。40度程度の温風を当て、その後1日程度放置。
急激に乾燥させると風合いを損ねる。
ゆっくり時間をかけ乾燥。




↓乾燥と放置で程よい風合いに乾燥。


↓乾燥後の糸、かせ状のものをボビンに巻き取る。
かせ染色のほうが、小ロット対応とは言え、
この1かせで17500M(17.5キロ)ほどの糸の長さある。


織りの柄に合わせ、ボビンを配置。


糸の組成、配列は全部企画で決められている。


これはひたすら縦糸のみをセット。420本の糸を14回並べ120CMほどの幅にする。


ちゃんと、バラけないように、交差というか、(ワード失念)あやというかになっている。


向こうに並んだボビンから1本1本の糸がこのカード上の板にあいた穴をとおり、
機械にセットされている。


 説明の途中1本糸が落ちたらしく、職人さんがチェック。



耳の部分に職人さんごとの色の糸がつけられ、
分業ながら、責任とプライドを持って仕事をする仕組みと
チェック機能が備わっている。



縦糸巻き終わり~。


手前の丸い輪は万が一の糸切れ時に備えた工夫。

ロスを出さない工夫は万が一にも備えられている。専門職人のプライドだな。



出来た縦糸のまとまりは巻き取られ、こんな風になって織担当のところへ。



↓全然見えないけど糸が無数に走っている。

次の柄にするための糸はスタンバイされており、
前の糸と後の糸を結んでつないでいく。
420本を2時間ほどで1本1本手結び。職人技!



こちらはジャガード織機。

紋紙の穴が開いたところは縦糸が通らず(?)それがプログラムになり柄が出来ていく。
(ジャガード織機は以前の産地見学でも見学していたので私的に割愛)





 さっきみた縦糸のまとまりがセットされてる。↓

織りあがりたてのジャガード。


最後の見学は、後加工。
スチールのガンガンに入っているのはいろんな溶剤。

ソーピングで生地を薬剤に浸し、
ゴムローラーで絞る。









↑ボーダーや、チェックはゆがみが出たら目立つから
このライトみたいなので縦横のゆがみを読み取り、下の画面でゆがみのチェック。

しなったローラーが、ゆがみ調整していた。
すごい。ハイテク。こんなこともオートマチックに出来ちゃうなんて。


↓ここからテンターにかけてる。生地耳の針跡はここでつく。
縮み等を考慮して素材に応じての温度でこれから乾燥。ここ特に暑い。




↓これ、耳につく針跡の針。

↓生地のミミに針で生地のテンションを調整し、乾燥。

染色。(後染め)機械の中を生地が通って、染色。


中身こんな感じ。




ところどころに窓があり、染色過程の生地を覗ける。

その後は遠心脱水機にかけ手乾燥。


こっちは蒸気で後加工中。


機械デカイ。設備投資額かなりだなー¥


デカイー。 =¥





織りあがった生地に油がついていたりすると後加工の効果が落ちるので
洗う。洗剤はそんな強烈なものじゃなく、オレンジピール由来の柑橘系の香りのものとか、
花王さんとかのだったり。(工場だろうケド)



機械デカイー

生地同士を縫い合わせ、加工は一気に流れ作業で。 

自分でも染色やるからとても勉強になる。

システマチックになっているところは見習いたいと思うポイントも色々。


盛りだくさんの見学だったけれど、
充実の研修会栞(しおり)をご用意くださり(読み応えあり)、
地元の観光を含め、沢山のおもてなししていただきました。



懇親会では馬刺し、あわび、日本酒、山梨のワイン白2種、赤2種 
(一通り堪能させていただきました☆)

さらには富士山シフォンをはじめお土産まで!

もともとお取引先に向けての工場案内だったのを、
今回はデザイナークリエイター向けにやってくださったらしい。

工場の方々職人さんや、生地作りに関わる人とのお話、
ガチャ万時代*の会長の武勇伝?的なもの・・・とても興味深く充実した見学となりました。

(機をガチャンと織ると1万円になるという景気のいい時代・1と6のつく日に市が立ち、
即日現金商売だからその日の売り上げの札束持って豪遊した話。)

関係者の皆様、どうもありがとうございました。



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